湯沢絵どうろう祭り(1997/8/5訪問)

<カテゴリ:祭り>


 私がこのブログを開設して半年が経過しました。非常にありがたいことではありますが、ぼちぼちとお問い合わせを頂くようになりました。先日、頂いたお問い合わせは、私がお勧めする夏祭りについてです。これまでに大小交えて多くの東北の夏祭りを見てきましたが、その中から私が是非お勧めしたいのが、「動」の代表として岩手県盛岡市のさんさ祭り、そして「静」の代表として今回ご紹介する湯沢市の絵どうろう祭りです。

湯沢絵どうろう祭り
湯沢絵どうろう祭り(1997年撮影)

 一口に夏祭りといっても非常に多岐にわたるので、ここでは大きく「動」と「静」に分けました。「動」は、踊りや祭囃子を中心に文字通り動きのある祭りです。地元の方はもちろん飛び入りで参加も出来る祭りも多くあり、青森のねぶた祭りが有名です。私は「動」の代表として、文句なしに盛岡のさんさ踊りをお勧めしています(「さんさ踊り」については別ページでご紹介していますので、ご参照頂ければ幸いです)。この桁違いのスケールと面白さのため、5年連続で見学(+飛び入り参加)に行きました。

湯沢絵どうろう祭り
湯沢絵どうろう祭り(1997年撮影)

 一方、「静」は、一言でいえば飾っているものを見るというもので、仙台の七夕祭りがあまりにも有名です。悪く言ってしまえば、見るだけですので、どうしても好みなどの主観が入ってしまいますが、私は毎年8月5日から7日にかけて実施される、湯沢市の絵どうろう祭りをお勧めしています。ここで私が(勝手に)基準としているのは、「①それなりの大きなスケールであること」、「②日本の夏を満喫できる」の2点です。湯沢の絵どうろう祭りはいずれにおいても満たしており、是非、お勧めしたいと思います。 

湯沢駅
湯沢駅(1989年7月2日撮影)

 さて旅の起点は奥羽本線の湯沢駅です。湯沢市は秋田県の最南端に位置していて、みちのくの小京都の1つにも挙げられています。自然豊かな風光明媚な町で、郊外には川原毛地獄、小安温泉、木地山高原など、私が特にお気に入りのスポットが目白押しです。是非、別途、この場でもご紹介したいと思います。

 また奥羽本線で県境を越えて山形県に入るあたりは、いつ見ても飽きない日本の原風景が続きます。是非、各停列車で乗ってみることをお勧めします。

 また首都園から向かう場合は、JR東日本が発行する週末パスが利用できる北限にあたります。土日の2日間ではありますが、わずか往復8,880円で行くことができます。東京から湯沢の片道だけで8080円ですので(注:2023年時点の運賃)、格安としかいいようがありません。なお週末パスについては別項で触れていますのでご参照頂ければ幸いです。

湯沢絵どうろう祭り
湯沢絵どうろう祭り(1997年撮影)

 さて話を湯沢絵どうろう祭りに戻します。お祭りの起源は、江戸時代の中期1702年に京都から「おこしいれ」された久保田藩佐竹南家七代佐竹義安の奥方が京都への郷愁の思いを五色の短冊に託し、青竹に飾りつけたのが始まりと言われています。その後、明治に入り、仙台から来た野口栄吉により、七夕に絵どうろうが登場し、家々の軒先に灯籠(どうろう)が飾られるようになりました。大正、昭和に入ると、湯沢地区の全町で大型の絵どうろうがつりさげられるようになったようです(湯沢市のホームページより)。

湯沢絵どうろう祭り
湯沢絵どうろう祭り(1997年撮影)

 祭りの間は商店街のアーケード照明を消し、絵どうろうの明かりが闇夜に浮かび上がり、とても幻想的なシーンとなります。またどうろうの数も100基以上になるため、そのスケールに圧倒されてしまいます。出店で買ったビールをぐいと飲みながら、どうろうの間を潜り抜けて歩き、「雅」の世界を味わう、「ああやっぱり日本の夏はいいな」と思うに違いありません。ひょっとして私が京都出身であるため、若干の半官びいきが入っているのかもしれませんが。

 コロナ禍により2020年~2021年のお祭りは中止になったようです。是非、コロナ禍が収まり、再びあのスケールの絵どうろう祭りが復活することを祈念します(参考情報ご参照)。特に今年(2022年)の8月6日と7日は土曜日と日曜日で、これもお勧めの週末パスを使えば、首都圏からは往復乗車券8880円で行くことができます。皆さんも是非、日本の夏を感じることが出来るこのお祭りに、週末パスを使って足を運んで頂ければと思います。


<関連情報>

①コロナ禍により2年連続で中止となっていた「湯沢絵どうろう祭り」が、2022年は3年ぶりに復活することが決定されたようです。例年通り8/5~7に開催される予定です。

 

②是非、立ち寄りたい周辺のお勧めスポット(もちろん鉄道とバスと徒歩で)   

小野小町堂

小野小町堂(1990年撮影)

小野小町の生誕地に建てられたお堂。毎年6月の第2日曜日に「小町まつり」が行われる。写真は1990年撮影当時のものであるが、1995年に朱色のお堂に建て替えられた。JR横堀駅より徒歩10分

院内駅

院内銀山(1990年撮影)

院内銀山は江戸時代に発見され、石見銀山などとともに日本三大銀山として栄えた。1954年に閉山。院内駅より徒歩90分と少し遠い。写真は院内銀山を展示している院内駅内に設置された異人館

力水

力水(1990年撮影)

佐竹藩主の御膳水として明治頃まで使用され、近所の人たちにも使用されていたが、何時の間にかこの水を飲むと力が出るようになると言われるようになった。環境庁の日本名水100選にも選定。湯沢駅より徒歩8分の中央公園内に設置