UFOの里~千貫森にひろがるミステリーゾーン~ NEW!

<カテゴリ:文化遺産、自然>


UFOの里への案内
UFOの里への案内(宇宙人が案内)

 福島駅の南東、約8kmのところに千貫森を中心とした「UFOの里」と呼ばれる地域があります。このあたりは昔からパワースポットとして知られており、そしてなんと驚くことにUFOの目撃情報が多いことでも知られています。「UFOなんてありえない」「荒唐無稽な話だ」などと皆さんおっしゃるかもしれません。実際、私もかなりの眉唾を感じながら、正直、興味本位で訪れました。ところがUFOの目撃証言の信憑性についてはとりあえず置いておいて、このあたり一帯で発生している解明できないような事象や、「UFOふれあい館」では小規模ながらも本格的なUFOの博物舘として大人から子供まで楽しむことが出来るのではないかと思いました。例によりバスの時間の制約により、現地滞在1時間の予定でしたが、内容盛りだくさんにつき2時間も滞在してしまいました。今回、この千貫森を中心としたUFOの里についてご紹介させて頂きます。


UFOの里停留所
UFOの里停留所(停留所がUFO)

UFOの里に向かう

 

 旅の起点は福島駅です。福島駅から川俣方面のバスに乗りますが、一時間に2本程度の割合で出ており、大変にアクセスが便利です。バスに揺られること約25分、「UFOの里」が最寄りのバス停です。

 ちなみにこのあたり一帯は、以前は飯野町と呼ばれた町でしたが、御多分に洩れず、平成の市町村合併により2008年に福島市に編入されました。飯野町は当時より地域おこしのために、このUFOの里を後押ししていました。右の写真をご覧頂ければと思いますが、バス停がUFOを模したものとなっています。また途中の道案内も宇宙人が案内してくれるという凝りようです。


千貫森
千貫森

千貫森と周辺のパワースポット

 

 UFOの里のシンボル的存在である千貫森は円錐形をしており、標高は462.5mといわゆる低山に属する山です。UFOの里の停留所を降りたあたりから見ることができます。その目立つ山容のために古来より人々の目印となっていました。

 

 また次のような興味ある事象や実体があるようです。

①古来よりピラミッド説があり、このピラミッド型の山がアンテナ代わりとなり、未確認飛行物体(いわゆるUFO)の目印となっていたというのです。そのため以前からUFOの目撃情報が多いというものです。う~ん本当でしょうか。ピラミッド型の山はこの日本にはごまんとあります。若干の眉唾です。

千貫森(案内)
千貫森(案内)

②千貫森には強い磁場があるようで、磁石がきかない場所もあるというのです。どうもこのあたりは昔から砂鉄が採取でき、その関係もあり地下に強い磁性体があるようです。そしてそれがアンテナのような機能を果たしているのではとも言われています。もしそうであればこちらの方は、かなり興味のある話です。ただ訪問当日、磁石を持参するのを忘れてしまったので、本当に磁石がきかない場所があるのかは確認できませんでした。

 

③千貫森の周辺には変わった形の巨石が点在しているというものです。「モアイ石」「舟形石」「くじら石」などと呼ばれており、方位石もあるようです。そしてそれらが放射状に位置しており、パワーラインとも呼ばる形を形成しているとのことです。またこれらの石はどこからきたかについては説明がつかないとのことでした。

UFOふれあい館
UFOふれあい館

 モアイ石というとイースター島にある「モアイ像」を思い起こすかと思いますが、実際、モアイ像を彷彿するような人面巨石のようです。実は訪問当日、モアイ石を始めてとして、これらの巨石のいくつかを訪れたかったのですが、それなりに場所は離れており、また次にご紹介するUFOふれあい館で予想以上に時間を使ってしまいました。そのためバスの発車時刻の関係からそれらを確認する時間を取ることがきませんでした。

 たUFOの目撃情報などといったあやふやな情報ではなく、これらの巨石は、実際にそこに現物としてあるものなので、かなり興味深いものがあります。

 その他、古墳ではないかという説もあるようです。


UFOふれあい館
UFOふれあい館

UFOふれあい館

 

 そして千貫森とならんでUFOの里のシンボル的存在が、「UFOふれあい館」です。UFOの里のバス停から徒歩約10分のところにあります。この設備は1980年後半に話題となった「ふるさと創生事業」を利用して整備されたものです。1992年に開館し、2013年にはリニューアルされました。

 余談になりますが、ふるさと創生事業を覚えていらっしゃるでしょうか。各市町村に対して地域振興のために1億円を交付した事業です。当時はバラマキ事業とも呼ばれていました。そしてこのUFOふれあい館は、ふるさと創生事業で建設され、今では設備が現存する数少ない成功例のようです。う~ん、ということは他のふるさと創生事業(特に施設の建設)はうまくいかなかったのでしょうか。我々の税金を返せ!といいたいところです。典型的なバブルの遺産ですね。

UFOふれあい館(ロズウェル事件)
UFOふれあい館(ロズウェル事件)

 さて話をUFOふれあい館に戻します。ここUFOふれあい館では、過去のUFOの目撃写真や事件*、資料、公式文書などといった大人向けの展示に加えて、宇宙人の姿や3Dシアタでは映像を見ることができるので、大人から子供まで十分に楽しむことができます。私も実際、かなりの時間をかけて展示品を一通り見学しました。

 

*事件:過去にはUFOを目撃したといった話だけではなく、それがきっかけとなり官民一体となった議論に発展したことがありました。それをここでは事件と呼んでいるようです。特に有名なのが「ロズウェル事件」と呼ばれるもので、UFOふれあい館では詳しく経緯などの資料が展示されていました。私もUFOふれあい館に訪れるまでは知りませんでした。一言でいうとアメリカ合衆国のロズウェル近辺で墜落した飛行物体が、米軍によって回収されたというもので「世界で最も有名なUFO事件」となっているようです。米軍というある意味、公的な機関が関与しているため、一概に荒唐無稽な話では済まされないようです。ただ実際はいろいろな情報が輻輳しているようで、真相は解明されていないようです。

UFOふれあい館(UFO研究所)
UFOふれあい館(UFO研究所)

 またふれあいUFO舘には資料の展示に加え、休憩や入浴もできます。ただUFOと(私は入りませんでしたが)お風呂はどういう関係があるのでしょうか、ふれあい館の職員に聞いてみました。千貫森に登った人が、汗を流すことができるようにするためのようです。思わず「なるほど」と言ってしまいました。ちなみに温泉ではありません。

 

 そして2021年にはなんと日本初のUFO研究所「国際未確認飛行物体研究所(UFO研究所)」が開設されました。国内外からUFO情報を収集してそれらを発信したり、いろいろなイベントを企画して地域を活気付けようという目的のようです。

 

  当初はかなりの眉唾を感じながら、正直、興味本位で訪れたUFOの里でしたが、2時間近くを過ごすことになり、かなりUFOについて知ることが出来ました。また自分なりUFOについて考えることもできました。

 一通りUFOふれあい館などを見た上での私の結論は以下の通りです。

「(夢のない話ではありますが)やはりUFOは存在しないというものです。強い磁場や大気中のプラズマがもたらず超常現象ではないでしょうか。ただ千貫森周辺に点在する巨石群は少し説明がつかないです。単なる偶然という言葉だけで片付けたくはないものを感じます」。

 

物産館
物産館(UFOふれあい館に隣接)飛び魚ラーメンが絶品

  皆さんも「UFOなどありえない」「荒唐無稽な話だ」などと言わずに、少し遊び感覚でこのUFOの里を訪れてみて、UFOについて考えてみませんか。

 

 ご参考までに、フランスの主要紙である「ルモンド紙」では、UFOの目撃情報を以下の通り分類しています。

・30%は偽情報

・9%は完全に説明できる現象(隕石の落下等)

・33%は概ね説明のできる現象(大気中のプラズマ等)

そうです。残りの28%は完全には説明できない現象、すなわち正体不明の飛行物体(UFO)ではないかということのようです。このようにフランスの主要誌に書かれると思わず宇宙へのロマンを感じてしまいますね