ひめさゆり祭り ~刑事ドラマで見た絶滅危惧種の花~【2019/6/2訪問】

<カテゴリ:自然>


 私がひめさゆりの名前を初めて知ったのは、2013年、結構、ひいきにしている刑事ドラマ(脚注③ご参照)の中です。近藤正臣扮する元教師が、同僚の女性教師へのあこがれに纏わるエピソードの中で出てきました。「ひめさゆり」というあまりにも美しいネーミングのため、ほとんど花に興味のなかった私は、てっきりドラマ上の架空の花と思っていました。

ひめさゆり
ひめさゆり

 その後、ひめさゆりはユリ科に属する実在の植物であること、正式名称を「オトメユリ」ということ、そして新潟・山形・福島の県境の一部でしか見られない絶滅危惧種であることを知りました。なんと私が愛する東北地方が群生地ではありませんか。

 

 ひめさゆりの花を見たい!

 

 その思いが強くなり、早速、ネットでいろいろ調べてみましたが、どこも最寄りの駅から車で60分近く、一番近い福島県の喜多方市の郊外にある群生地でも駅から車で20分かかります。「これはとても歩いては行けない!」。やはり鉄道とバスと徒歩だけではひめさゆりを見ることができないようです。いったんは諦めていました。

喜多方駅
JR磐越西線喜多方駅

 その後、別の機会に喜多方市を訪れた際、喜多方市のひめさゆり群生地にて、「ひめさゆり祭り」の催しがあること、そして会場まで送迎バスがあることを偶然に知りました。これを使えば、車を使わずにひめさゆりを見ることが出来そうです。

 こうして、私の6年越しの思いが実現して、無事、鉄道とバスと徒歩だけで憧れのひめさゆりに出会うことができたのです。なおこれは後で知ったことですが、ひめさゆりは喜多方市の花に指定されているようです。

SL磐越物語
SL磐越物語

 旅の起点は福島県喜多方駅です。余談になりますが、喜多方市は会津若松市と並んで福島県会津地方の中核都市です。喜多方ラーメンで有名ですし、街中いたるところに蔵が立ち並び、蔵の街としても知られています。また東北本線(東北新幹線)の郡山から会津若松、喜多方を経由して新潟県の新津駅までを結ぶ磐越西線は周辺に見どころも多く、人気路線になっています。特に会津若松~新津間は「森と水とロマンの鉄道」という愛称が付けられており、4月から11月の土日休日の臨時列車として、蒸気機関車C57が牽引する「SLばんえつ物語」も運転されています。

ひめさゆり祭り会場
ひめさゆり祭り会場

 さて喜多方駅前から送迎バスに乗り、ひめさゆり祭り会場に向かいます。バスは結構、年配の方が多く、1人旅は私だけのようです。約20分ほどバスに揺られて、ひめさゆり祭りの会場に到着しました。やはり歩いて行くには遠かったようです。

 写真をご覧頂ければおわかりの通り、祭りといっても、祭り会場によくあるようなマイク音や音楽による賑やかさがあるわけではありません。また予想に反してこじんまりとしていて、それが丁度、私には合っていました。

 

 薄紫色のひめさゆりが、斜面一面に咲き誇る姿を見た時の感動は忘れません。帰りの送迎バスの時刻の関係から、現地での滞在時間がわずか40分でありましたが、夢中でシャッタを切りました。撮影に夢中になるあまり、落とし物をしてしまい、会場の放送で呼び出されるアクシデントがあったほどです。

 ただ1点、悔やまれるのは、ひめさゆりの見ごろは6月~8月と聞いていましたが、私が訪れた年(2019年)の6月3日は少し早かったようです。少なくともその年は、もう少しあとの方が見ごろだったようです。


 ひめさゆり祭りを見終えた後は、かねてより訪問したかった「日中線跡」「熱塩温泉」を訪れました。両方とも駅から遠いため、ずっと諦めていたのですが、ひめさゆり祭り会場からであれば比較的近距離のため、歩いていけました。

 特に熱塩温泉では、いろいろ温泉巡りをしてきた私でも、初めて経験する驚きの混浴温泉に巡り合うことが出来ました。普通の混浴は、脱衣場が男女別で中に入ると男女同じというものですが、ここの温泉はなんと脱衣場が男女同じで、中が男女別というものです。その意味で、混浴とは呼べないかもしれません。是非、機会あればその時のこともご紹介したいと思います。

 

 皆さんも是非、ひめさゆり祭りに参加して、この地域でしか巡り合うことが出来ない絶滅危惧種でもあるひめさゆりを見に行きませんか?なお私がひめさゆり祭りに参加した時の案内を、下段の関連情報に記述しましたので、ご参考頂ければ幸いです。

 


<関連情報>

①旅程※時刻は訪問当日の時刻表です。もし訪れられる場合は最新の時刻表をご参照頂きますようお願いします。

【2019/6/2】

東京(7:32)=(東北新幹線)=郡山(8:56)(9:38)=(磐越西線)=会津若松(10:56)(11:01)=(磐越西線)=喜多方(11:17)

喜多方駅前(11:45)=(送迎バス)=ひめさゆり祭り会場(12:10)~ひめさゆり見学

ひめさゆり祭り会場(12:50)=(送迎バス)~熱塩温泉との分岐点で下車=(徒歩)=日中線跡=(徒歩)=熱塩温泉=(徒歩)=喜多方駅

 

(2019年版)ひめさゆり祭り案内(会津バス様のパンフレットより)

 

③冒頭ご紹介した刑事ドラマは、テレビ朝日系「相棒」(session11 第15話「同窓会」)です。時々再放送されているので、是非、ご覧いただければと思います。

 

④是非、立ち寄りたい周辺のお勧めスポット (もちろん鉄道とバスと徒歩で) 

日中線跡(旧熱塩駅)

日中線跡(旧熱塩駅)(2019年撮影)

日中線はかつて喜多方駅と熱塩駅を結んでいたJRの鉄道路線。蒸気機関車が最後まで運行されていた。朝夕の登下校の時間帯しか走らなかったため、「日中は走らない日中線」と呼ばれていた。1984年廃止。旧熱塩駅には当時の貴重な資料が展示されている。JR喜多方駅から徒歩60分

 

熱塩温泉(示現寺)

熱塩温泉示現寺(2019年撮影)

熱塩温泉は、喜多方市北部にある温泉。写真の示現寺(じげんじ)の開山源翁(げんおう)により開かれたと伝えられている。塩化物泉のため子宝の湯としても知られている。JR喜多方駅から徒歩65分

 


⑤ひめさゆり群生地