作成日:2021/8/4
訪問日:2020/7/19
雷神山古墳 ~東北地方最大級の古墳~
【カテゴリ:文化・遺産】
東北地方最大級の古墳
地元の方に道を聞いてもあまりご存じなかったのですが、文献によると名取市にある雷神山古墳は、東北地方最大級の前方後円墳のようです。「最大」と書かずに「最大級」と書かれているということは、別の地に同等規模の古墳があるということでしょうか。一方、雷神山古墳の長さは168mもあり、こちらの方は東北最大のようです【2026/6/1改定(写真等)】。

かねてよりこの東北地方最大級の前方後円墳を訪れたいと思っていましたが、それが実現したのは2020年の7月でした。2020年といえば、コロナ禍によるパンデミックになった年で、4月には全国に初めての緊急事態宣言が発動されました。また2020年といえば、東日本大震災の影響で長期間普通となっていた常磐線が、何度かの部分開通を経て、3月14日に全面開通した年でもあります。常磐線はJRの鉄道の中でも「本線」ではない路線の中で最も長い路線です。この常磐線は乗車していない区間が多くあったので、全面開通の日を楽しみにしていました。
名取市を訪れる

このように2020年は、コロナ禍を避けながらも常磐線走破をテーマとして、何回かにわけて東北本線(仙台駅~岩沼駅間)と常磐線の東北地方部分(岩沼間~勿来駅間)を旅しました。雷神山古墳を訪れたのは、その2回目です。緊急事態宣言の解除を待ち、かつ混雑を避けるため夏休みに入る直前に出向きました。
当日は東北新幹線で仙台に向かい、その後、上りの普通列車に乗り館腰駅で降りました。少しでも空いている時期がいいと思い、夏休みに入る直前を狙ったのですが、予想以上に新幹線は空いていて、なんと私の乗っていた自由席車両は1人だけという贅沢なものでした。これもコロナ禍の影響でしょうか。
地図アプリに振り回される

その日は名取市でもう1件、館腰神社にも訪れたいと思い、館腰神社経由で雷神山神社に向かいました。
余談になりますが、以前はその地を訪れると、まず駅にある観光案内所に行き、そこで紙の地図をもらい、その地図を頼りに目的地を訪れたものです。今は地図アプリさえあれば、ほぼ全国どこでも経路案内をしてくれます。本当に便利な時代になりました。ただ時々、地図アプリはとんでもない経路を案内してくれます。この日、最初に訪れた館腰神社もとんでもなく遠回りをさせられてしまい、予定していた倍の時間を要してしまいました。もし昔ながらの地図を頼りにした旅であれば、もっと早く到達していたに違いありません(関連記事「地図からMAPへ」)。
さて名取市の館腰神社は、空海が弘誓寺を創建するにあたり、京都の伏見稲荷大社より分霊したことに由来するという大変に由緒ある神社です。苦労?して到着した甲斐もあり、大変に見応えのある神社でした。
雷神山古墳を訪れる

館腰神社の後は、住宅地の中を雷神山古墳に向かいました。この種の史跡にはよくあることですが、今回の雷神山古墳も住宅街を歩いていると忽然と姿を現しました。書物によると宮城県では仙台市と名取市が、一番古墳が多いとのことです。ただ雷神山古墳は4世紀末から5世紀前半に築造されたようですが、被葬者は不明のようです。きっとこの地方の有名な豪族だったのでしょうか。文献によるとこの古墳に葬られた人物が、近畿地方のヤマト政権と強いつながりがあったことや、当時の名取近辺がこのような大きな古墳を作ることができる高い農業生産力や財力を保有していたとも書かれていました。

ただこの雷神山古墳自体が、まだ未発掘の部分が多いようで、今後の調査に期待したいところです。5世紀後半になると仙台市、名取市以外でも古墳が築かれるようになりますが、大きさという意味でこの雷神山古墳が最も大きいとのことです。
なお雷神山古墳のすぐ北側にも小塚古墳と呼ばれる大きな円墳があります。この古墳も円墳としては東北地方で最大級の大きさのようで、雷神山古墳の被葬者と強い繋がりのある有力者の墓であると言われています。

雷神山古墳の頂上部には、雷神を祀った祠がありました。周辺の関係者が雨ごいのために作った祠と言われており、これが雷神山古墳の名前の由来になっているようです(名取市歴史民俗資料館にて)。従って「雷神山古墳」と呼ばれてはいますが、古墳に埋葬されている人物と雷神は関係ないとのことです。
当日は日曜日であったにも関わらず、家族連れに1組会っただけで、静かな時間を過ごすことが出来ました。それにしてもなんと大きな古墳でしょうか。全体をゆっくりと歩いても1周10分近く要しました。雷神山古墳の長さは168mとのことで東北最大のようですが、東北地方の第2位が120mということですので、ケタはずれとはいわなくとも、かなり大きな古墳といえそうです。
今から1500年以上も前に、このような立派な古墳を作った先人に敬意を表さざると得ません。駅からも近く、もちろん車なしで行けます。是非、この東北地方最大級の前方後円墳を訪れて、古のロマンに思いをはせてみませんか。
仙台空港アクセス線に乗る

さて雷神山古墳を見終えた後は、仙台空港アクセス線杜せきの下駅まで徒歩で向かいました。目的は、これも乗車したことのない仙台空港アクセス線に乗ることと、東日本大震災の慰霊地である「千年の丘」を訪ねることです。その後、岩沼駅に戻り竹駒神社に行きました。この竹駒神社は今回最初に訪れた館腰神社が姉神様としても崇拝されている神社です(関連情報ご参照)。
<関連情報>
①是非、立ち寄りたい周辺のお勧め
舘越神社
弘仁2年(811年)、弘法大師(空海)が京都の伏見稲荷神社より分霊したことに由来。JR館腰駅から最短コース(注:本文ご参照)で行けば徒歩5分
竹駒神社
承和9年(842年)に創建された由緒ある稲荷神社。日本三稲荷の一つとされることもある(注:文献により異なる)。平成2年に社殿が火災で焼失され、平成6年に再建された。境内には馬事資料館が併設されている。JR岩沼駅から徒歩10分